庭じまいの手帖
はじめての庭じまい

庭木の根の影響|建物・塀・配管に届く前に確認できること

庭木の根の影響を、舗装を持ち上げる仕組み、排水管に入る経路、擁壁や塀の点検項目に根が入っているかどうかで見ます。公的資料が書いていることと、書いていないことを分けて整理しました。境界を越えた根の扱いも条文から確認します。

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低木に囲まれた庭の通路
参考写真 説明用の素材写真。実際の利用者・商品・施工実績を示す写真ではありません。 写真:Haydon

根は見えないため、「そろそろ危ないのでは」と思っても確かめようがありません。公的資料がどこまで書いているかを先に知っておくと、確認すべき場所が絞れます。

このページで裏づけられないこと

  • 住宅の基礎への影響: 建物の基礎と樹木の根の関係を扱った公的資料は見つかりませんでした
  • ブロック塀への影響: 国のチェックポイントに樹木の根の項目がありません
  • 「何メートル離せば安全か」: 距離の基準として使える数値は確認できませんでした

根上がりに関する公的資料は、いずれも公園の園路・歩道の舗装や縁石を対象にしています。

舗装が持ち上がる仕組みは、資料に書かれている

国土交通省の「都市公園の樹木の点検・診断に関する指針(案)参考資料」は、根上がりの発生をこう説明しています。

根上がりは、樹木が成長するために地中にある水分と養分を求めて根の伸長範囲を広げようとして、舗装下部の隙間に侵入することで発生する。従って、植栽基盤が狭く、樹木と構造物が近く、舗装下部に根系が侵入しやすい隙間があることが、根上がりの発生要因となっている。

(出典:国土交通省 都市局「都市公園の樹木の点検・診断に関する指針(案)参考資料」/確認日 2026-09-29)

横浜市は、街路樹について理由をさらに具体的に書いています。舗装の下の土は舗装が壊れないよう堅く作られていて空気・水・養分が不足するため、樹木は地面の上の方や縁石沿いに根を伸ばす。その根が太くなって、縁石や舗装を持ち上げる——という説明です。

(出典:神奈川県横浜市「街路樹の根上がり対策」/確認日 2026-09-29)

点検票の項目としても存在する

同じ参考資料の点検項目の一覧に「2-10 舗装部の根上がり」があります。ただし日常点検の項目ではありません。「2定期点検」の欄にあり、その欄には「(日常点検に追加される項目)」と明記されています。様式でも、Ⅵ樹木点検票(定期点検)の「その他の項目」に入り、Ⅶ樹木診断カルテでは「舗装部の根上がり □なし□あり」の欄になっています。

日常的に見る項目ではなく、時期を決めて見る項目として位置づけられているということです。

「1メートル」は、条件を外すと使えない数値になる

距離について書いた公的資料は1件見つかりました。国土技術政策総合研究所が国営海の中道海浜公園で行った調査(12樹種50本)です。

被害は、園路端(縁石)から1m以内に植栽された樹木で多く見られた。

(出典:国土技術政策総合研究所 環境研究部 緑化生態研究室「樹木の根上り対策に関する調査(研究期間 平成18〜20年度)」/確認日 2026-09-29)

ただし、この資料は同じ調査結果に2つの限定を自分で付けています。

1mという数値に付いている限定

  1. 場所の条件: 「方形桝といった一定の区画内で生育している樹木において被害が多く見られ、帯状の桝や背後に園地が広がる場所では構造物との距離が1m以上離れていれば被害を及ぼしていないことが確認された」
  2. 断定の否定: 「ただし、110㎝まで離せば被害が生じないとは断定できない」

資料自身が「樹種毎にみた規格別の被害状況は解析できなかった」とも断っています。「○m離せば安全」という基準としては使えません。

根が必ず構造物の下に潜るわけではない

同じ調査には、根の伸び方についての観察も記録されています。

  • サクラの項: 「ほとんどの根は縁石の基礎に突き当たると左右どちらかの方向に屈折する」(稀に縁石の下の砂層へ伸びて舗装に亀裂を生じさせた例がある)
  • サクラ・クスノキ・キョウチクトウ・シンジュ: 「根が構造物の下に入るのではなく、構造物に沿って伸長している傾向」が多く見られた

そして、被害木として調べられたセンダンについては、こう記録されています。

地上根は、約3m先のU字排水溝まで達していたが、U字排水溝が破損した箇所は確認されなかった。

根が排水構造物に届いていても、破損は確認されなかったという一次観察です。届いた=壊れる、ではありません。

配管については、国の資料が「隙間」を名指ししている

国土交通省の街路樹管理マニュアルに、配管そのものを扱った記述があります。

地下へ埋設した配管(特に水系)の接続部から樹木の毛根が入り管を詰まらせる事象が発生する場合があるため、樹木周辺に接続部がある場合は接続部の隙間を防ぐ等の対策を検討し可能な限り対応すること。

(出典:国土交通省 関東地方整備局 東京国道事務所「街路樹管理マニュアル(令和4年2月)」/確認日 2026-09-29)

対策の対象として名指しされているのは、根ではなく接続部の隙間です。自治体の広報も同じ方向を書いています。

自治体が書いている侵入の経路

浦安市: 「生け垣や街路樹などの植物の根が下水道管内に入り込み、下水道を詰まらせることがあります。」根はわずかな継ぎ目などから入り込み、下水の豊富な栄養で成長する。

富士河口湖町: 根が排水管を押して破損させたり、つなぎ目にできた隙間から侵入して管内で成長する。写真の説明として、公共ますと排水設備の接続部分にできた隙間から根が侵入している状況、公共ますから侵入した根が取付管を詰まらせている状況を挙げている。

(出典:千葉県浦安市 下水道課「下水道の流れが悪くて困っている」/確認日 2026-09-29) (出典:山梨県富士河口湖町 水道課「【下水道広報】植物の根により排水管が詰まる恐れがあります」/確認日 2026-09-29)

どちらも「〜ことがあります」「〜恐れがあります」という注意喚起で、件数・割合・発生確率は示されていません。

早いほど手がかからない、とも書かれている

富士河口湖町のページには、段階の差が書かれています。

初期段階では、手で簡単に取り除くことができるかもしれませんが、排水管がいっぱいになるまで成長してしまうと、特殊な機器が必要になったり、道路を掘削して

下水道管理者向けの手引き(国土交通省)でも、樹木根の侵入は健全度評価の劣化診断項目10項目のひとつで、「内径の1/2以上閉塞」「内径の1/2未満閉塞」で区分されます。注では、基本的に清掃等で除去できる項目とされ、除去できない場合の判定基準だとされています。

(出典:国土交通省 下水道部「下水道施設のストックマネジメント手法に関する手引き(案)参考資料2)管路施設編」/確認日 2026-09-29)

これは事業者向けの手引きで、住宅の敷地内配管の点検基準ではありません。ただ「詰まり=掘るしかない」ではない、という位置づけは読み取れます。

いま確認できること(富士河口湖町が住民に求めていること)

排水設備の周辺に植物がある場合には、定期的に排水管内を点検したり、影響のないところへ植物を移動させるなどの措置をお願いします。

同町は前提として「排水設備は、公共ますから宅内側は住民の方の管理となります」とも書いています。浦安市も、費用を住民が負担するか市が負担するかは「主に敷地内か外かの区別と原因により異なります」としています。

どこから住民の管理かは自治体ごとに違います。 まず自分の市区町村の下水道管理者のページで、管理区分と連絡先を確認してください。

浦安市は「自宅内にある下水道の升を点検することで、未然に詰まりを防止できることもあります」とも書いています。掘らずに見られるのは、ますの中です。

擁壁と塀は、国と自治体で扱いが違う

ここは資料によって結論が分かれます。両方を並べます。

自治体の点検項目には入っている

新宿区「がけ・擁壁の安全点検」のチェックポイント8項目の1番目:

樹木の根や、つたなどが擁壁に悪い影響を与えていませんか?

以下は、擁壁からの水のしみ出し、はらみ、擁壁上部の水のしみ出し、目地にそった亀裂、水抜き穴の有無、亀裂、沈下です。

国の住民向けシートには入っていない

国土交通省「我が家の擁壁チェックシート(案)」の周辺環境条件等の項目(表-2)は①水抜き穴、②水のしみ出し、③排水施設の3つで、樹木・根の項目はありません(PDF全文を通して「根」の語は1件も出てきません)。

対象は①練石積み・コンクリートブロック積み擁壁、②重力式コンクリート擁壁、③鉄筋コンクリート擁壁の3種に限られ、高さ1m以下の宅地擁壁はチェック対象外です。

(出典:東京都新宿区 都市計画部 建築指導課「がけ・擁壁の安全点検」/確認日 2026-09-29) (出典:国土交通省 都市局「我が家の擁壁チェックシート(案)」/確認日 2026-09-29)

どちらかが間違いだという材料はありません。 新宿区は「悪い影響」の判定方法・判定基準を示していませんし、国のシートに項目が無いことは「根が擁壁に無害」という意味でもありません。自分の擁壁がどちらの資料の対象かを見て、両方を見ておくのが実際的です。

ブロック塀の点検項目に、樹木の根は無い

国土交通省の塀の安全点検チェックポイント(平成30年6月21日)には、全文に「樹木」の語が1件もありません。「根」は6件ありますが、すべて塀の基礎の「根入れ」(基礎を地面に埋め込む深さ)で、樹木の根ではありません。

(出典:国土交通省 住宅局建築指導課「建築物の既設の塀(ブロック塀や組積造の塀)の安全点検について」/確認日 2026-09-29)

つまり、庭木の根がブロック塀に影響するかどうかは、この資料には書かれていません。

根を切ること自体に、別のリスクがある

「根が問題なら切ればよい」とはなりません。横浜市は、従来のやり方についてこう書いています。

単純に根を切った後、舗装だけを打ち換える方法で行っていましたが、この方法では街路樹を弱らせ、最悪の場合は枯らしたりすることで倒木の危険性もありました。

数年後に再び根上がりすることもあった、とも書かれています。

国土交通省の街路樹管理マニュアルも、対応の順序を明示しています。

  1. まずすり付け舗装などで段差を改善する
  2. それが難しい場合や抜本的な対策が必要な場合に、根の切断が必要になる
  3. 切断の前に「根の切断による樹木の倒木を回避するため、当該樹木の支持根の状況等を確認する。」
  4. 切断後は、境界部に根系が侵入する隙間をつくらない根系遮断シートの設置や、可能な範囲での植栽基盤の拡張で再発を防止する

切るのは最初の手ではなく、切る前に確認する工程が挟まっている——という順序です。これは道路管理者の手順書で、庭木に同じ手順を義務づけるものではありません。

倒木そのものの責任については、別ページで条文に沿って整理しています。

→ 手入れをやめた庭木が倒れたら、誰の責任になるか

境界を越えた根は、枝と扱いが違う

民法233条は、枝と根を分けています。

4項 隣地の竹木の根が境界線を越えるときは、その根を切り取ることができる。

法務省の資料も、違いをこう整理しています。

土地の所有者は、隣地の竹木の根が境界線を越えるときは自らその根を切り取ることができるが、枝が境界線を越えるときはその竹木の所有者に枝を切除させる必要がある(旧民法233)。

(出典:デジタル庁(e-Gov法令検索)「民法(明治二十九年法律第八十九号)第233条・第209条」/確認日 2026-09-29) (出典:法務省「民法等改正関係(抜粋)/令和3年民法・不動産登記法改正、相続土地国庫帰属法のポイント」/確認日 2026-09-29)

ここも条文が答えていないこと

  • 境界の確認方法、隣人への事前連絡の要否は、条文にも法務省資料にも書かれていません
  • 根を切って隣の木が枯れた場合の扱いも書かれていません
  • 法務省資料が費用請求に触れているのは「枝」についてで、根には及びません
  • 民法233条4項は越境した根を切り取れることを定めるだけで、損害を誰が負担するかは書いていません

枝の側の手順は、別ページにまとめています。

→ 越境した枝を切るときの手順

業者に見てもらうときに確認すること

業者に確認したいこと

  • 宅内の排水設備(公共ますから宅内側)の埋設位置はどこか。図面はあるか
  • ますの中を開けて、根が入っていないか見てもらえるか
  • 配管の接続部が樹木の近くにあるか。隙間をふさぐ対策は取れるか
  • 根を切る前に、その木の支持根の状況を確認してもらえるか
  • 段差だけを直す方法(すり付けなど)で足りるか、根の切断まで必要か
  • 根を切った場合、その木が弱る・倒れるリスクをどう見ているか
  • 切ったあとの再発防止(遮断シートなど)は見積もりに含まれるか

費用が変わる条件

  • 根の位置(舗装の下か、配管の近くか、擁壁の際か)
  • 掘る範囲と深さ、重機が入れるかどうか
  • 木を残して根だけ切るのか、木ごと伐採・抜根するのか
  • 舗装や配管を壊して直す工程が入るか
  • 切ったあとの再発防止(遮断シート、基盤の拡張)を行うか

木ごと処理する場合の考え方は、別ページにあります。

→ 伐採と抜根、切り株をどうするか

よくある質問

庭木の根は住宅の基礎を壊しますか
根上がりに関する公的資料は、いずれも公園の園路・歩道の舗装や縁石を対象にしています。当サイトが確認した範囲では、建物の基礎と樹木の根の関係を扱った公的資料は見つかりませんでした。基礎について「壊す」と示した資料も、「壊さない」と示した資料も、今回の出典の中にはありません。
木は建物から何メートル離せば安全ですか
距離の基準として使える数値は確認できませんでした。国土技術政策総合研究所の調査は「被害は、園路端(縁石)から1m以内に植栽された樹木で多く見られた」と書いていますが、同じ資料が「ただし、110㎝まで離せば被害が生じないとは断定できない」とも書いています。しかもこの1mは「帯状の桝や背後に園地が広がる場所では」という場所の条件つきの記述で、公園の園路が対象です。
木の根が排水管を詰まらせることはありますか
自治体が注意喚起として書いています。浦安市は「生け垣や街路樹などの植物の根が下水道管内に入り込み、下水道を詰まらせることがあります」、富士河口湖町は根がつなぎ目の隙間から侵入して管内で成長する経路を説明しています。ただし、どちらも「〜ことがあります」「〜恐れがあります」という注意喚起で、件数・割合・発生確率は示されていません。
庭木の根がブロック塀に影響しますか
国土交通省の塀の安全点検チェックポイントに、樹木の根の項目はありません(全文に「樹木」の語は1件もなく、「根」は6件すべて塀の基礎の「根入れ」です)。この資料には、影響するともしないとも書かれていません。なお「根入れ」は塀の基礎を地面に埋め込む深さのことで、樹木の根とは別物です。
隣から伸びてきた根は切ってよいですか
民法233条4項は「隣地の竹木の根が境界線を越えるときは、その根を切り取ることができる。」と定めています。法務省の資料も「土地の所有者は、隣地の竹木の根が境界線を越えるときは自らその根を切り取ることができるが、枝が境界線を越えるときはその竹木の所有者に枝を切除させる必要がある」と整理しています。根と枝で手続が違います。ただし、切って隣の木が枯れた場合の扱いは条文にも法務省資料にも書かれていません。

確認した情報源

制度や料金は地域と時期で変わります。掲載しているのは確認日時点の内容です。実際の手続きは、 該当する自治体・事業者の最新の案内で確認してください。

  1. 国土交通省 都市局「都市公園の樹木の点検・診断に関する指針(案)参考資料」

    「2-10 舗装部の根上がり」が発生の仕組みを「根上がりは、樹木が成長するために地中にある水分と養分を求めて根の伸長範囲を広げようとして、舗装下部の隙間に侵入することで発生する。従って、植栽基盤が狭く、樹木と構造物が近く、舗装下部に根系が侵入しやすい隙間があることが、根上がりの発生要因となっている。」と書いている。点検項目の一覧(Ⅰ 種類ごとに実施することが望ましい点検・診断項目)では、舗装部の根上がりは「2定期点検」の欄にあり、その欄には「(日常点検に追加される項目)」と明記されている。様式では、Ⅵ樹木点検票(定期点検)の「その他の項目」に入り、Ⅶ樹木診断カルテでは「舗装部の根上がり □なし□あり」の欄になっている。表紙に「平成29年9月/(改訂歴)令和8年3月30日」。

    適用範囲:都市公園の樹木と園路・舗装。/確認日 2026-09-29

    注意:個人の庭、住宅の基礎、塀、埋設管は対象外。 舗装部の根上がりは日常点検の項目ではなく、定期点検で追加される項目(「1日常点検」の欄には無い)。距離や隙間の具体的な寸法は示されていない。

  2. 国土技術政策総合研究所 環境研究部 緑化生態研究室「樹木の根上り対策に関する調査(研究期間 平成18〜20年度)」

    「被害は、園路端(縁石)から1m以内に植栽された樹木で多く見られた。」とし、距離については「植栽されている場所の違いとしては、方形桝といった一定の区画内で生育している樹木において被害が多く見られ、帯状の桝や背後に園地が広がる場所では構造物との距離が1m以上離れていれば被害を及ぼしていないことが確認された」と場所の条件つきで書いている。あわせて「ただし、110㎝まで離せば被害が生じないとは断定できない」とも書く。根の伸び方について、サクラの項に「ほとんどの根は縁石の基礎に突き当たると左右どちらかの方向に屈折するが、稀に」縁石の下の砂層へ伸びて舗装に亀裂を生じさせた例を記す。サクラ・クスノキ・キョウチクトウ・シンジュでは「根が構造物の下に入るのではなく、構造物に沿って伸長している傾向」が多く見られたとある。被害木のセンダンについては「地上根は、約3m先のU字排水溝まで達していたが、U字排水溝が破損した箇所は確認されなかった」と記録している。

    適用範囲:国営海の中道海浜公園での構造物被害の実態調査(12樹種50本)と根系掘削調査。被害の内容は園路の舗装材や縁石の持ち上げ・ひび割れ・破壊。/確認日 2026-09-29

    注意:1か所の国営公園での調査で、資料自身が「樹種毎にみた規格別の被害状況は解析できなかった」と断っている。「○m離せば安全」という基準としては使えない。 1mの記述には「帯状の桝や背後に園地が広がる場所では」という場所の限定が付いており、これを外すと一般則のように読めてしまう。住宅の基礎・塀・排水管は調査対象外。研究期間は平成18〜20年度。

  3. 神奈川県横浜市「街路樹の根上がり対策」

    根上がりを、根が太くなることで「根が歩道の縁石や舗装を持ち上げ、歩道がでこぼこになる」ことと説明し、理由として舗装下の土は舗装が壊れないよう堅く作られていて空気・水・養分が不足するため、樹木は地面の上の方や縁石沿いに根を伸ばす、としている。従来の対処について「単純に根を切った後、舗装だけを打ち換える方法で行っていましたが、この方法では街路樹を弱らせ、最悪の場合は枯らしたりすることで倒木の危険性もありました。」と書き、数年後に再び根上がりすることもあったとする。最終更新日 2026年4月1日。

    適用範囲:横浜市が道路管理者として行う街路樹対策の説明。/確認日 2026-09-29

    注意:庭木や宅地内の舗装を対象にしていない。工法の効果を示す数値やデータは示されていない。

  4. 国土交通省 関東地方整備局 東京国道事務所「街路樹管理マニュアル(令和4年2月)」

    「8 根上がり時の対応と対策」が、まずすり付け舗装などで段差を改善し、それが難しい場合や抜本的な対策が必要な場合に根の切断が必要になるという順序を示す。そのうえで「根の切断による樹木の倒木を回避するため、当該樹木の支持根の状況等を確認する。」とする。切断後は、歩道等との境界部に根系が侵入する隙間をつくらないための根系遮断シートの設置や、可能な範囲での植栽基盤の拡張で再発を防止するとしている。別の節「(6)その他の留意事項」に「地下へ埋設した配管(特に水系)の接続部から樹木の毛根が入り管を詰まらせる事象が発生する場合があるため、樹木周辺に接続部がある場合は接続部の隙間を防ぐ等の対策を検討し可能な限り対応すること。」がある。

    適用範囲:道路管理者が街路樹について行う管理の手順書。/確認日 2026-09-29

    注意:庭木に同じ手順を義務づけるものではない。支持根の方向や点検間隔などの数値は街路樹の条件に紐づいたもの。費用には触れていない。

  5. 国土交通省 下水道部「下水道施設のストックマネジメント手法に関する手引き(案)参考資料2)管路施設編」

    管路施設の健全度評価に用いる劣化診断項目10項目として「管の腐食、上下方向のたるみ、破損、クラック、継手ズレ、浸入水、取付管の突き出し、油脂の付着、樹木根の侵入、モルタル付着」を挙げている。表Ⅱ.16 調査判定基準(案)では樹木根侵入を「内径の1/2以上閉塞」「内径の1/2未満閉塞」で区分し、注で、基本的に清掃等で除去できる項目とし、除去できない場合の判定基準だとしている。

    適用範囲:下水道管理者(事業者)向けの手引き(案)。/確認日 2026-09-29

    注意:住宅の敷地内配管の点検基準ではない。 掲載元ページに発行年月の明示がなく、委員会の開催は平成22〜23年度。実際に適用される判定基準は各下水道管理者のマニュアルで確認する必要がある。

  6. 千葉県浦安市 下水道課「下水道の流れが悪くて困っている」

    詰まりの原因の例として「生け垣や街路樹などの植物の根が下水道管内に入り込み、下水道を詰まらせることがあります。」と書き、根はわずかな継ぎ目などから入り込み下水の豊富な栄養で成長すると説明する。「自宅内にある下水道の升を点検することで、未然に詰まりを防止できることもあります」とも書いている。費用を住民が負担するか市が負担するかは「主に敷地内か外かの区別と原因により異なります」。ページ更新日 令和7年6月27日。

    適用範囲:浦安市の下水道(昭和51年から布設、40年以上経過)についての説明。/確認日 2026-09-29

    注意:費用負担の区分と連絡先は浦安市のもので、他市には当てはめられない。詰まりのうち何割が根によるものかという数値は示されていない。

  7. 山梨県富士河口湖町 水道課「【下水道広報】植物の根により排水管が詰まる恐れがあります」

    根が排水管を押して管を破損させたり、つなぎ目にできた隙間から侵入して管内で成長するという経路を説明し、写真の説明として、公共ますと排水設備の接続部分にできた隙間から根が侵入している状況、公共ますから侵入した根が取付管を詰まらせている状況を挙げる。段階について「初期段階では、手で簡単に取り除くことができるかもしれませんが、排水管がいっぱいになるまで成長してしまうと、特殊な機器が必要になったり、道路を掘削して」対応することになると書く。住民への依頼は「排水設備の周辺に植物がある場合には、定期的に排水管内を点検したり、影響のないところへ植物を移動させるなどの措置をお願いします。」管理区分は「排水設備は、公共ますから宅内側は住民の方の管理となります」。

    適用範囲:富士河口湖町の下水道利用者向け広報。/確認日 2026-09-29

    注意:ページに掲載日・更新日の表示がない。「詰まる恐れがあります」という注意喚起で、発生率・発生条件・費用の数値は示されていない。管理区分(どこから住民の管理か)は自治体ごとに異なる。

  8. 東京都新宿区 都市計画部 建築指導課「がけ・擁壁の安全点検」

    住民向けの擁壁チェックポイント8項目の1番目が「樹木の根や、つたなどが擁壁に悪い影響を与えていませんか?」である。以下は擁壁からの水のしみ出し、はらみ、擁壁上部の水のしみ出し、目地にそった亀裂、水抜き穴の有無、亀裂、沈下。最終更新日 2024年4月1日。

    適用範囲:新宿区が住民に呼びかけている擁壁の点検項目。/確認日 2026-09-29

    注意:該当したら危険と断定する趣旨ではなく、「悪い影響」の判定方法・判定基準は示されていない。 擁壁(宅地の土を支える構造物)の話で、ブロック塀の点検項目ではない。支援の対象も区独自の制度。

  9. 国土交通省 都市局「我が家の擁壁チェックシート(案)」

    住民が自分の宅地擁壁の危険度を概略的に確認するためのシート。周辺環境条件等の項目(表-2)は①水抜き穴、②水のしみ出し、③排水施設の3つで、樹木・根の項目はない(PDF全文を検索して「根」の語が1件も出ないことを確認)。「本チェックシートは、擁壁の危険度を概略的に知りたい住民の方を対象に作成したものです。」

    適用範囲:対象擁壁は①練石積み・コンクリートブロック積み擁壁、②重力式コンクリート擁壁、③鉄筋コンクリート擁壁の3種に限られ、高さ1m以下の宅地擁壁はチェック対象外。/確認日 2026-09-29

    注意:点検項目に樹木・根が入っていないことは、国が住民向けに配る評点シートが根を評価項目にしていないという事実の裏づけにはなるが、根が擁壁に無害だと書いてあるわけではない。シート自身が概略的なものだと限界を明示している。

  10. 国土交通省 住宅局建築指導課「建築物の既設の塀(ブロック塀や組積造の塀)の安全点検について」

    平成30年6月21日付。塀の点検のチェックポイントを示し、ひとつでも不適合があれば専門家に相談することを求める。全文に「樹木」の語は1件もなく、「根」は6件すべて塀の基礎の「根入れ」である。

    適用範囲:補強コンクリートブロック造の塀と、組積造(れんが造・石造・鉄筋のないブロック造)の塀で、チェック項目が別に用意されている。/確認日 2026-09-29

    注意:この資料に出てくる「根入れ」は塀の基礎を地面に埋め込む深さで、樹木の根ではない。根入れの数値は塀の種類で違い(組積造は20cm以上、補強コンクリートブロック造で塀の高さ1.2m超は30cm以上)、しかも「専門家に相談しましょう」側の項目で、外観でまず見る1〜5には含まれない。国のこのチェックポイントに樹木の根の項目はないため、庭木の根がブロック塀に影響することをこの資料で裏づけることはできない。

  11. デジタル庁(e-Gov法令検索)「民法(明治二十九年法律第八十九号)第233条・第209条」

    233条1項は「土地の所有者は、隣地の竹木の枝が境界線を越えるときは、その竹木の所有者に、その枝を切除させることができる」と定め、3項が自ら切り取れる3つの場合(催告しても相当の期間内に切除しないとき/所有者を知ることができず、又はその所在を知ることができないとき/急迫の事情があるとき)を挙げる。4項は根について「切り取ることができる」とだけ定める。209条1項三号は枝の切取りを隣地使用の目的に挙げ、3項が事前通知を求める。

    適用範囲:全国。2026-09-29に取得した現行版(法令ID 129AC0000000089)。/確認日 2026-09-29

    注意:条文が読めるだけの資料で、条文に書いていないことは分からない。催告の方法(書面か口頭か)、「相当の期間」の日数、「急迫の事情」の内容、切った枝の所有権と処分方法、切取り費用の最終的な負担者は、いずれも233条の文言にない。e-Govの人が読めるURLはJavaScriptで描画されるため、条文本文の確認には同じ法令IDの法令データを取得する必要がある。

  12. 法務省「民法等改正関係(抜粋)/令和3年民法・不動産登記法改正、相続土地国庫帰属法のポイント」

    「越境した竹木の枝の切取り」の頁で、枝と根の扱いの違いを「土地の所有者は、隣地の竹木の根が境界線を越えるときは自らその根を切り取ることができるが、枝が境界線を越えるときはその竹木の所有者に枝を切除させる必要がある(旧民法233)。」と整理している。掲載元は法務省「新制度の概要・ポイント」(同ページに令和8年9月7日更新と記載)。

    適用範囲:この資料の主題は「枝」の切取りルールの改正で、根については改正前からの扱いを説明する文脈で触れている。/確認日 2026-09-29

    注意:費用を竹木の所有者に請求できると考えられる(民法703・709)という記述は枝についての説明であって、根には及ばない。このPDFは素の curl では403が返り、ブラウザ相当のUser-Agentを付けて初めて200になる。