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相続人申告登記とは|デメリットと、庭に手を入れる前の使いどころ

相続登記が3年に間に合わないときの逃げ道です。登録免許税はかからず、一人で申し出られます。ただし権利関係を公示するものではなく、遺産分割に基づく登記の義務は履行できません。条文と法務省の案内で線を引きました。

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低木に囲まれた庭の通路
参考写真 説明用の素材写真。実際の利用者・商品・施工実績を示す写真ではありません。 写真:Haydon

実家の庭を片付けたいのに、名義が亡くなった親のままで、遺産分割の話もまとまらない。この状態で3年の期限だけが近づいているとき、条文のなかに逃げ道がひとつ置かれています。

先に結論

相続人申告登記は、相続登記の代わりではありません。 期限の義務だけを、いったん止めるための仕組みです。

  • 登録免許税がかからない/相続人が一人で申し出られる/戸籍は一部で足りる
  • ただし権利関係を公示するものではないので、売却や抵当権の設定には使えない
  • 遺産分割に基づく相続登記の義務は、これでは履行できない

このページは、条文と法務省の案内に書いてあることだけを並べています。自分の相続関係にどう当てはまるかは、法務局の登記手続案内か司法書士に確かめてください。

相続登記そのものの期限と過料については相続登記の義務化と期限のページにまとめています。

条文は「申し出ることができる」と書いている

不動産登記法 第76条の3(原文)

第1項

前条第一項の規定により所有権の移転の登記を申請する義務を負う者は、法務省令で定めるところにより、登記官に対し、所有権の登記名義人について相続が開始した旨及び自らが当該所有権の登記名義人の相続人である旨を申し出ることができる。

第2項

前条第一項に規定する期間内に前項の規定による申出をした者は、同条第一項に規定する所有権の取得(当該申出の前にされた遺産の分割によるものを除く。)に係る所有権の移転の登記を申請する義務を履行したものとみなす。

第4項

第一項の規定による申出をした者は、その後の遺産の分割によって所有権を取得したとき(……)は、当該遺産の分割の日から三年以内に、所有権の移転の登記を申請しなければならない。

(出典:デジタル庁(e-Gov法令検索)「不動産登記法 第76条の2・第76条の3・第164条第1項・附則第5条第6項」/確認日 2026-10-06)

読み落としやすいのが、第2項の括弧書きと第4項です。

申出で止まるものと、止まらないもの不動産登記法76条の3の2項と4項。申出より前に遺産分割が済んでいた分と、申出より後に分割した分は、どちらも申出では終わりません。1相続が開始する登記名義人が亡くなる23年以内に申出をする申出をした者について、76条の2第1項の義務を履行したものとみなす3申出の前に遺産分割が済んでいた場合2項の括弧書きで除かれている。みなしは効かない4申出の後に遺産分割をした場合4項により、分割の日から3年以内に登記の申請が必要
図:不動産登記法76条の3の2項と4項。申出より前に遺産分割が済んでいた分と、申出より後に分割した分は、どちらも申出では終わりません。

法務省が挙げている「特徴」は、メリット5つと留意点2つ

法務省民事局の「相続人申告登記手続のご案内」(令和8年3月版)の1ページ目が、そのまま一覧になっています。

法務省が挙げているメリットと留意点「相続人申告登記手続のご案内」令和8年3月版の1ページ。見出しのとおり、メリット5つと留意点2つが並べられています。区分法務省が挙げている内容メリット期限内に申し出ることで、相続登記の義務を履行できる特定の相続人が単独で申出可(他の相続人の分も含めた代理申出も可能)メリットWebブラウザ上でも手続が可能(電子署名は不要)法定相続人の範囲・法定相続分の割合の確定が不要(提出書類も少ない)/登録免許税がかからない留意点権利関係を公示するものではない相続した不動産を売却したり、抵当権の設定をしたりするような場合には、別途、相続登記をする必要がある留意点遺産分割に基づく相続登記の義務は履行できない案内は「直ちに遺産分割や相続登記をすることが難しい場合などに」使うことを想定していると書いている
図:「相続人申告登記手続のご案内」令和8年3月版の1ページ。見出しのとおり、メリット5つと留意点2つが並べられています。
(出典:法務省民事局「相続人申告登記手続のご案内(登記手続ハンドブック)令和8年3月版」/確認日 2026-10-07)

留意点の2つは、網羅ではありません

法務省が自分で挙げている2つです。これ以外に不利なことが無い、という意味ではありません。 個別の事情でどう効くかは、司法書士・弁護士に確かめてください。

登記簿には何が載るのか

ここが「権利関係を公示するものではない」の中身です。案内の23ページが、完了後の登記記録の例を示しています。

登記記録の例(令和8年3月版・23ページ)

甲区の付記1号として、こう入ります。

  • 登記の目的:相続人申告
  • 原因:令和○年○月○日申出
  • 相続開始年月日:昭和○年○月○日
  • 法務太郎の相続人として申出があった者(申出人の住所・氏名)
(出典:法務省民事局「相続人申告登記手続のご案内(登記手続ハンドブック)令和8年3月版」/確認日 2026-10-07)

「所有者」ではなく「相続人として申出があった者」と入ります。 そして、この記載例に持分はありません。

条文の側も同じ書き方です。76条の3第3項が付記できる事項として挙げているのは「その旨並びに当該申出をした者の氏名及び住所その他法務省令で定める事項」で、持分は出てきません。

庭の工事に直結するところ

共有名義の庭木を切れるかどうかは、民法251条・252条の持分の価格で決まる部分があります。相続人申告登記をしても、持分は登記簿に現れません。 つまり、この申出をしたからといって「庭に手を入れてよいことになった」わけではありません。

共有と庭木の関係は相続登記の義務化と期限のページに条文どおり整理しています。

戸籍は「一部で足りる」。ただし案内は、全部取ることを勧めている

ここは、案内の注が丁寧に書いているところです。

相続人申告登記では、このうちの一部の戸籍の証明書(申出人が登記上の所有者の相続人の一人であることが分かるもの)のみで足りますが、1ページの留意点も踏まえ、可能であれば、相続登記で必要な戸籍の証明書(被相続人の出生から死亡までの経緯が分かるもの)をこの際に取得しておくことをおすすめします。

(出典:法務省民事局「相続人申告登記手続のご案内(登記手続ハンドブック)令和8年3月版」/確認日 2026-10-07)

「足りる」と「済む」は違う、と国の側が先に書いています。 どのみち相続登記をするなら、戸籍の収集はもう一度やることになります。

法定相続情報一覧図の写しで代えられる場合がある

不動産登記規則158条の20が、代用できる場合を定めています。

相続人申出をする場合において、申出人が所有権の登記名義人又は中間相続人についての相続に関して法定相続情報一覧図の写し若しくは法定相続情報番号又は戸籍電子証明書提供用識別符号若しくは除籍電子証明書提供用識別符号を提供したときは、当該……の提供をもって、前条第二項第一号又は第三号イに掲げる情報の提供に代えることができる。

(出典:デジタル庁 e-Gov法令検索(法令データAPI)「不動産登記規則 第二款の二(相続人申告登記等)第158条の5・第158条の18・第158条の19・第158条の20」/確認日 2026-10-07)

限定列挙です。 どんな書類でも代用できるという規定ではありません。

祖父名義のまま、父も亡くなっている場合

数次相続と呼ばれる場面です。規則が、この場合のための語を用意しています。

不動産登記規則 第158条の19(抜粋)

所有権の登記名義人(申出人が所有権の登記名義人の相続人の地位を相続により承継した者であるときは、当該相続人(以下この款において「中間相続人」という。))の相続人である旨

(出典:デジタル庁 e-Gov法令検索(法令データAPI)「不動産登記規則 第二款の二(相続人申告登記等)第158条の5・第158条の18・第158条の19・第158条の20」/確認日 2026-10-07)

登記名義人の相続人の、そのまた相続人も申し出られる建て付けになっています。 ただし、規則が定めているのは申出の内容と添付情報であって、相続関係そのものの整理ではありません。誰のどの戸籍が要るかは、相続関係によって変わります。

申出の出し方

提出の方法(令和8年3月版・22ページ)

作成した申出書及び添付書面を、申出対象の不動産の所在地を管轄する法務局(登記所)の窓口に持参する方法又は郵送する方法により、申出をします。

郵送する方法による場合は、申出書及び添付書面を入れた封筒の表面に「相続人申出書在中」と記載の上、書留郵便により送付してください。

(出典:法務省民事局「相続人申告登記手続のご案内(登記手続ハンドブック)令和8年3月版」/確認日 2026-10-07)

必要な書類は、法務省のページが4つ挙げています。

  1. 申出書
  2. 申出人が登記記録上の所有者の相続人であることが分かる戸籍の証明書(戸除籍謄本等)
  3. 申出人の住所を証する情報
  4. 委任状(代理人が手続を行う場合のみ。複数の相続人が連名で申出書を作成・提出する場合は不要)
(出典:法務省(民事局)「相続人申告登記について」/確認日 2026-10-07)

申出書の様式とケース別の記載例は、同じ法務省のページに一太郎・Word・PDFで置かれています。様式は更新されるので、申出のときに最新版を取ってください。

完了通知は3か月で廃棄される

案内は、完了通知書について「登記完了後、3か月を経過しても受領に来られない場合、通知書を廃棄させていただくこととしています」と書いています。(出典:法務省民事局「相続人申告登記手続のご案内(登記手続ハンドブック)令和8年3月版」/確認日 2026-10-07)

郵送で受け取るなら、宛名を書いた返信用封筒を用意しておくことになります。

庭の作業との関係で、確認すること

業者に確認したいこと

  • 相続を知った日から3年が経っていないか(起点は亡くなった日ではありません)
  • 令和6年4月1日より前に相続した分は、令和9年3月31日が期限になっていないか
  • 遺産分割が「すでに済んでいる」のか「まだ」なのか(済んでいる分には、申出のみなしが効きません)
  • 申し出るのは自分だけか。ほかの相続人の義務は、その人が申し出ないかぎり残ります
  • 不動産の管轄の法務局はどこか(庭=土地の筆が複数あるなら、すべて拾えているか)
  • 建物だけでなく、土地も登記されているかを確かめたか
  • 戸籍は、相続登記で要るところまでまとめて取っておくか
  • (売却や担保の予定があるなら)申出では足りないことを承知しているか
  • 共有の庭木を切る予定があるなら、持分は申出では登記簿に出ないことを承知しているか

このページで決まらないこと

  • 自分のケースでどの戸籍が必要か。 相続関係によって変わります
  • 庭木の伐採が共有物の「変更」か「管理」か「保存」か。 条文に書かれていません
  • 申し出るべきか、相続登記まで進めるべきか。 売却や担保の予定があるかで変わります
  • 判例・裁判例。 このページでは確認していません

法務局の登記手続案内は予約制です。法務省のQ&Aは相談先を「お近くの法務局(登記手続案内(予約制)を実施中)や、登記の専門家である司法書士・司法書士会等に御相談ください。」としています。(出典:法務省 民事局「相続登記の申請義務化に関するQ&A」/確認日 2026-10-06)

名義が決まらないあいだの庭の管理については実家の庭の手入れができないときのページ、境界が分からない場合は庭の境界がわからないときのページにまとめています。

よくある質問

相続人申告登記とは何ですか
法務省は「期限内(3年以内)に相続登記の申請をすることが難しい場合に簡易に相続登記の申請義務を履行することができるようにする仕組み」と説明しています。根拠は不動産登記法76条の3第1項で、相続登記の申請義務を負う者は「登記官に対し、所有権の登記名義人について相続が開始した旨及び自らが当該所有権の登記名義人の相続人である旨を申し出ることができる。」とされています。同条2項により、期間内に申し出た者は申請義務を「履行したものとみなす」とされます。
デメリットは何ですか
法務省自身が留意点を2つ挙げています。「権利関係を公示するものではないため、相続した不動産を売却したり、抵当権の設定をしたりするような場合には、別途、相続登記をする必要がある」「遺産分割に基づく相続登記の義務は履行できない」。加えて、不動産登記法76条の3第4項は、申出をした者がその後の遺産分割で所有権を取得したときは「当該遺産の分割の日から三年以内に」登記を申請しなければならないと定めています。申し出て終わりにはなりません。
費用はかかりますか
法務省は相続人申告登記について「登録免許税がかからない」としています。別にかかるのは戸籍の証明書の取得費用と、郵送でするなら書留郵便の料金です。なお、あとで行う相続登記のほうの登録免許税は別の話で、租税特別措置法による免税の措置があります。
相続人が自分ひとりでも申し出られますか
できます。法務省は「特定の相続人が単独で申出をすることができる(他の相続人の分も含めた代理申出も可能)」としています。ただし、不動産登記法76条の3第2項が義務を履行したものとみなすのは「申出をした者」についてです。申し出ていない他の相続人の義務は残ります。
祖父名義のままで、父も亡くなっています。申し出られますか
不動産登記規則158条の19が、この場面を想定した書き方をしています。所有権の登記名義人の相続人の地位を相続により承継した者が申し出る場合について「当該相続人(以下この款において「中間相続人」という。)」という語を置き、申出の内容を「所有権の登記名義人(……であるときは、中間相続人)の相続人である旨」としています。ただし具体的にどの戸籍が必要になるかは、相続関係によって変わります。法務局の登記手続案内(予約制)か司法書士に確かめてください。

確認した情報源

制度や料金は地域と時期で変わります。掲載しているのは確認日時点の内容です。実際の手続きは、 該当する自治体・事業者の最新の案内で確認してください。

  1. デジタル庁(e-Gov法令検索)「不動産登記法 第76条の2・第76条の3・第164条第1項・附則第5条第6項」

    第76条の2第1項は、所有権の登記名義人について相続の開始があったときは、その相続により所有権を取得した者は「自己のために相続の開始があったことを知り、かつ、当該所有権を取得したことを知った日から三年以内に、所有権の移転の登記を申請しなければならない」と定め、後段で「遺贈(相続人に対する遺贈に限る。)により所有権を取得した者も、同様とする。」とする。第2項は、法定相続分に応じた登記がされた後に遺産の分割があったときは、その分割で相続分を超えて所有権を取得した者は「当該遺産の分割の日から三年以内に」登記を申請しなければならないとする。第3項は「前二項の規定は、代位者その他の者の申請又は嘱託により、当該各項の規定による登記がされた場合には、適用しない。」第76条の3(見出しは「(相続人である旨の申出等)」)第1項は、申請義務を負う者が登記官に対し、相続が開始した旨と自らが相続人である旨を「申し出ることができる」とし、第2項は第76条の2第1項の期間内にその申出をした者は申請義務を「履行したものとみなす」とする(括弧書きで「当該申出の前にされた遺産の分割によるもの」は除く)。第4項は、申出をした者がその後の遺産分割で所有権を取得したときは「当該遺産の分割の日から三年以内に」登記を申請しなければならないとする。第164条第1項は、第76条の2第1項・2項または第76条の3第4項の「規定による申請をすべき義務がある者が正当な理由がないのにその申請を怠ったときは、十万円以下の過料に処する」とする。施行前に開始した相続に及ぶ根拠は附則(令和三年四月二八日法律第二四号)第5条第6項で、「知った日」を「知った日又は第二号施行日のいずれか遅い日」と読み替えると定める。

    適用範囲:全国。2026-10-05に e-Gov法令データAPI(法令ID 416AC0000000123)で取得して照合。law_revision_id は 416AC0000000123_20260624_508AC0000000046。/確認日 2026-10-06

    注意:★期間の起点は亡くなった日ではなく「自己のために相続の開始があったことを知り、かつ、当該所有権を取得したことを知った日」。/★期限は起点の違う二本立て(第1項=知った日から3年、第2項=遺産分割の日から3年)。/★相続人申告登記(第76条の3)をしても、その後の遺産分割による登記義務は残る(第4項)。/「十万円以下の過料」は上限で、過料は刑罰の罰金ではない。/当サイトは読者に登記手続を自分で行うよう勧めない。

  2. 法務省 民事局「相続登記の申請義務化に関するQ&A」

    「相続登記の義務化は、令和6年4月1日から始まりました。」「ただし、令和6年4月1日より前に相続したことを知った不動産も、相続登記がされていないものは、義務化の対象になります。」とし、それらは「令和9年3月31日までに相続登記をする必要があります」と案内する。過料までの流れは3段階で、(1)登記官が義務違反を把握した場合に登記をするよう催告する、(2)期限内に登記がされなければ登記官が裁判所に申請義務違反を通知する(ただし登記官が「正当な理由」があると認めた場合は通知しない)、(3)通知を受けた裁判所が要件に該当するか否かを判断して過料を科する旨の裁判を行う。「過料は、10万円以下の範囲内で裁判所において決定されます。」また登記官が催告を行う端緒は限定されており、「登記官は、相続人が不動産の取得を知った日がいつかを把握することは容易ではありませんので、次の(1)又は(2)を端緒として、義務に違反したと認められる者があることを職務上知ったときに限り、申請の催告を行うものとしています。」として、(1)遺言に基づく移転登記を申請したがその遺言書に別の不動産も記載されていたとき、(2)遺産分割の結果に基づく相続登記を申請したがその協議書に別の不動産も記載されていたときを挙げる。「正当な理由」については「相続登記の義務の履行期間内において、次の(1)から(5)までのような事情が認められる場合には…」として、相続人が極めて多数で戸籍関係書類等の収集に多くの時間を要する場合、「遺言の有効性や遺産の範囲等が相続人等の間で争われているために相続不動産の帰属主体が明らかにならない場合」、義務を負う者自身に重病その他これに準ずる事情がある場合、配偶者からの暴力の被害者等で避難を余儀なくされている場合、経済的に困窮して費用を負担する能力がない場合の5つを挙げ、「これらに該当しない場合においても、個別の事案における具体的な事情に応じ」認められることがあるとする。遺産分割をしていない場合は「全ての相続人が法定相続分の割合で不動産を取得(共有)した状態となる」ため各相続人に義務があり、「遺産分割が調い、その不動産の所有者があなた以外の者となった場合には、あなたの義務はなくなります」。相続人申告登記については「申出をした相続人についてのみ、相続登記の義務を履行したものとみなされます」とし、留意点として「もっとも、遺産分割がされた後にこれに基づく登記をする義務を相続人申告登記によって履行することはできないことや、不動産についての権利関係を公示するものではなく、相続した不動産を売却したり、抵当権の設定をしたりするような場合には相続登記をする必要がある」ことを挙げる。相談先は「お近くの法務局(登記手続案内(予約制)を実施中)や、登記の専門家である司法書士・司法書士会等に御相談ください。」令和7年3月27日時点。

    適用範囲:法務省のQ&A。令和7年3月27日時点。/確認日 2026-10-06

    注意:★「正当な理由」の5つは「相続登記の義務の履行期間内において」という条件つきで、かつ網羅列挙ではない(「これらに該当しない場合においても」とある)。/★過料を決めるのは裁判所。登記官が催告する端緒も2つに限定されている。/★相続人申告登記は「遺産分割がされた後にこれに基づく登記をする義務を相続人申告登記によって履行することはできない」——この限定を落とすと使い方を誤る。/★権利関係を公示するものではないため、売却・抵当権設定には相続登記が必要。

  3. 法務省(民事局)「相続人申告登記について」

    制度の説明として「相続登記を申請しようとする場合、被相続人の出生から死亡に至るまでの戸除籍謄本などの書類を収集して、法定相続人の範囲や法定相続分の割合を確定する必要があります。そこで、期限内(3年以内)に相続登記の申請をすることが難しい場合に簡易に相続登記の申請義務を履行することができるようにする仕組みとして、「相続人申告登記」が新たに設けられました。」とする。留意点として「不動産についての権利関係を公示するものではないため、相続した不動産を売却したり、抵当権の設定をしたりするような場合には、別途、相続登記の申請をする必要がある」「遺産分割に基づく相続登記の申請義務を履行することはできない」の2つを挙げる。申出は「特定の相続人が単独で申出可(他の相続人の分も含めた代理申出も可)」とし、「登録免許税がかからない」とする。必要書類は「(1)申出書」「(2)申出人が登記記録上の所有者の相続人であることが分かる戸籍の証明書(戸除籍謄本等)」「(3)申出人の住所を証する情報」「(4)委任状(代理人が手続を行う場合のみ。複数の相続人が連名で申出書を作成・提出する場合は不要です。)」。申出書様式(一太郎・Word・PDF)、委任状記載例、ケース別の申出書記載例が掲載されている。

    適用範囲:全国。2026-10-07に当サイトでページを取得して本文を照合した。/確認日 2026-10-07

    注意:①「登録免許税がかからない」のは相続人申告登記の申出についてであり、後で行う相続登記の登録免許税は別。②留意点の2つは法務省自身が挙げているもので、デメリットの網羅列挙ではない。③様式・記載例のファイルは随時更新されるので、申出の際は必ず最新版を取得すること。

  4. 法務省民事局「相続人申告登記手続のご案内(登記手続ハンドブック)令和8年3月版」

    全29ページ。「1 相続人申告登記の特徴」はメリットとして「自らが登記上の所有者の相続人であること等を期限内に申し出ることで、相続登記の義務を履行できる」「特定の相続人が単独で申出をすることができる(他の相続人の分も含めた代理申出も可能)」「Webブラウザ上でも手続が可能(電子署名は不要)」「法定相続人の範囲・法定相続分の割合の確定が不要(提出書類も少ない)」「登録免許税がかからない」の5つを挙げ、留意点として「権利関係を公示するものではないため、相続した不動産を売却したり、抵当権の設定をしたりするような場合には、別途、相続登記をする必要がある」「遺産分割に基づく相続登記の義務は履行できない」の2つを挙げる。そのうえで「※ このような留意点があることから、相続人申告登記は、直ちに遺産分割や相続登記をすることが難しい場合などに、相続登記の義務を果たすために利用いただくことが想定されます。」とする。戸籍については「相続人申告登記では、このうちの一部の戸籍の証明書(申出人が登記上の所有者の相続人の一人であることが分かるもの)のみで足りますが、1ページの留意点も踏まえ、可能であれば、相続登記で必要な戸籍の証明書(被相続人の出生から死亡までの経緯が分かるもの)をこの際に取得しておくことをおすすめします。」とする。提出は「申出対象の不動産の所在地を管轄する法務局(登記所)の窓口に持参する方法又は郵送する方法」で、郵送の場合は封筒の表面に「相続人申出書在中」と記載のうえ書留郵便で送付するとされる。23ページの登記記録の例は、甲区の付記1号として登記の目的「相続人申告」、権利者その他の事項に「原因 令和○年○月○日申出」「相続開始年月日 昭和○年○月○日」「法務太郎の相続人として申出があった者」と申出人の住所・氏名を記載する形を示しており、持分の記載はない。登記完了後の通知書について「登記完了後、3か月を経過しても受領に来られない場合、通知書を廃棄させていただくこととしています」とする。

    適用範囲:全国。令和8年3月版。2026-10-07に当サイトでPDFを取得し、本文を抽出して照合した。/確認日 2026-10-07

    注意:①「比較的単純な相続のケースを例として」説明したものだと、はじめにに書かれている。複雑な相続はこの案内の範囲外。②23ページの登記記録は記載例であり、実際の記録とは項目の並びが異なることがありうる。③「持分の記載はない」は、この記載例にないという事実であって、法令が持分の記録を禁じていると読んではいけない。根拠は不動産登記法76条の3第3項が「申出をした者の氏名及び住所その他法務省令で定める事項」としている点のほうにある。④版が更新されるため、引用の際は版を併記すること。

  5. デジタル庁 e-Gov法令検索(法令データAPI)「不動産登記規則 第二款の二(相続人申告登記等)第158条の5・第158条の18・第158条の19・第158条の20」

    第158条の5第1項は「相続人申出等情報は、申出の目的及び登記原因に応じ、一の不動産及び申出人ごとに作成して提供しなければならない。」と定める。第158条の18第1項は「登記官は、相続人申告登記等を完了したときは、申出人に対し、職権による登記が完了した旨を通知しなければならない。」とし、「この場合において、申出人が二人以上あるときは、その一人に通知すれば足りる。」とする。第158条の19は、所有権の登記名義人の相続人の地位を相続により承継した者が申し出る場合について「当該相続人(以下この款において「中間相続人」という。)」という語を置き、申出の内容を「所有権の登記名義人(申出人が所有権の登記名義人の相続人の地位を相続により承継した者であるときは、当該相続人……)の相続人である旨」とし、添付情報として相続人であることを証する市町村長その他の公務員が職務上作成した情報と、申出人の住所を証する情報を挙げる。第158条の20は「相続人申出をする場合において、申出人が所有権の登記名義人又は中間相続人についての相続に関して法定相続情報一覧図の写し若しくは法定相続情報番号又は戸籍電子証明書提供用識別符号若しくは除籍電子証明書提供用識別符号を提供したときは、当該……の提供をもって、前条第二項第一号又は第三号イに掲げる情報の提供に代えることができる。」と定める。

    適用範囲:全国。law_revision_id は 417M60000010018_20261005_508M60000010023。2026-10-07に e-Gov法令データAPI で取得して条文本文を照合した。/確認日 2026-10-07

    注意:①第158条の5の「一の不動産及び申出人ごとに作成」は、不動産が複数あるときに情報を分けて作る建て付けを示すもので、手数料や申出件数の数え方を定めたものではない。②「中間相続人」は数次相続の場面で使われる語だが、この規則が数次相続の相続関係そのものを定めているわけではない。③第158条の20は戸籍の証明書に代えられる場合を限定列挙しており、どんな書類でも代用できるという意味ではない。

  6. 法務省 法務局「登記手数料はどのようになっていますか?(情報番号1109)」

    令和7年4月1日からの登記手数料。登記事項証明書(謄抄本)は「書面請求 ( ※ 1 )」600円、オンライン請求・送付520円、オンライン請求・窓口交付490円。「登記事項要約書の交付(※1)・登記簿等の閲覧 500円」。筆界特定関係は、筆界特定書の写し「(※1)」550円、図面の写し450円、手続記録の閲覧400円。

    適用範囲:全国。令和7年4月1日からの額。/確認日 2026-10-04

    注意:★「※1」は50枚を超える部分への加算が効く範囲を示す記号なので、落とすと加算の対象品目が読み取れない。引用するときは記号ごと引く。