管理不全空家と固定資産税|特例が外れる引き金は「勧告」
管理不全空家の勧告を受けると、固定資産税の住宅用地特例が外れます。空き家にしているだけでは外れません。空家法13条は指導が先で、改善されないときに勧告へ進みます。勧告がなくても特例が外れる場合まで、条文とガイドラインで線を引きました。
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「空き家にしておくと税金が6倍になる」という言い方は、2つの点で正確ではありません。倍率の話は別ページにまとめました。このページはいつ外れるのかの話です。
このページの結論
- 外れる引き金は「勧告」です。空き家であること・老朽化していることではありません
- 空家法13条は「指導が先」で、改善されないときに勧告へ進みます
- ただし勧告がなくても外れることがあります。そもそも「住宅」に該当しない場合は適用されないとされています
- 年度の区切りは賦課期日(1月1日)です
- 管理不全空家等には命令・行政代執行がありません(勧告までで止まります)
条文は「勧告がされた」ことだけを要件にしている
地方税法349条の3の2第1項が、住宅用地から除いている土地です。
(出典:デジタル庁(e-Gov法令検索)「地方税法 第349条の3の2第1項(空家法の勧告を受けた敷地の除外)と令和5年改正」/確認日 2026-10-06)空家等対策の推進に関する特別措置法…第十三条第二項の規定により所有者等…に対し勧告がされた同法第十三条第一項に規定する管理不全空家等及び同法第二十二条第二項の規定により所有者等に対し勧告がされた同法第二条第二項に規定する特定空家等の敷地の用に供されている土地を除く
条文は指導の段階を除外事由として挙げていません。
いつ入った規定か
管理不全空家等の敷地を除く部分が入ったのは、空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律(令和5年法律第50号)によるもので、施行日は2023年(令和5年)12月13日です。
それより前の349条の3の2第1項は、旧14条2項の勧告がされた特定空家等の敷地だけを除いていました。2023年12月13日より前に書かれた解説は、現行と内容が違います。
指導 → 勧告の順番
条文の言葉
13条1項(指導)
空家等が適切な管理が行われていないことによりそのまま放置すれば特定空家等に該当することとなるおそれのある状態にあると認めるとき…指導をすることができる
13条2項(勧告)
(出典:デジタル庁(e-Gov法令検索)「空家等対策の推進に関する特別措置法 第2条・第13条・第22条」/確認日 2026-10-06)前項の規定による指導をした場合において、なお当該管理不全空家等の状態が改善されず、そのまま放置すれば特定空家等に該当することとなるおそれが大きいと認めるとき
ガイドラインも、順番をはっきり書いています。
法に基づく管理不全空家等の措置は、当該管理不全空家等の所有者等に対する指導により、所有者等自らの意思による改善を促すことから始めることとされている
そして特例の除外について、こう説明しています。
(出典:国土交通省・総務省「管理不全空家等及び特定空家等に対する措置に関する適切な実施を図るために必要な指針(ガイドライン)」/確認日 2026-10-06)単に管理不全空家等や特定空家等であるかという家屋等の状態のみならず…(指導・助言をしてもなお状態が改善されないことを踏まえた措置であり)勧告時に同特例の対象から除外されることになっている
「管理不全空家等」の定義は13条1項にある
条文を引くときに間違えやすい点です。「管理不全空家等」の定義は2条2項ではなく13条1項に置かれています。2条2項が定義しているのは「特定空家等」です。
特定空家等は別の条文
| 管理不全空家等 | 特定空家等 | |
|---|---|---|
| 最初の段階 | 13条1項の指導 | 22条1項の助言又は指導(出典:デジタル庁(e-Gov法令検索)「空家等対策の推進に関する特別措置法 第2条・第13条・第22条」/確認日 2026-10-06) |
| 次の段階 | 13条2項の勧告 | 22条2項の勧告 |
| 猶予期限 | ガイドラインは「相当の猶予期限を付すことを要件とはしていない」 | 条文に「相当の猶予期限を付けて」とある |
| その先 | 岐阜市「※「管理不全空家等」は「勧告」までです。」 | 命令・代執行の規定がある |
22条1項の括弧書き
特定空家等について挙げられている措置は「除却、修繕、立木竹の伐採その他周辺の生活環境の保全を図るために必要な措置」ですが、括弧書きがあります。
(そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態又は著しく衛生上有害となるおそれのある状態にない特定空家等については、建築物の除却を除く。次項において同じ。)
「次項において同じ」とあるので、この除却の除外は22条2項の勧告にも及びます。
なお13条2項(管理不全空家等)の措置には、そもそも除却が挙げられていません。
勧告がなくても、特例の対象にならない場合がある
ここが見落とされやすい点です。国土交通省の資料に、次のブロックがあります。
平成27年総務省固定資産税課長通知(国交省資料の引用)
(出典:国土交通省「空家等対策の推進に関する特別措置法の改正(税制上の措置)」/確認日 2026-10-06)※ 総務省の通知(平成27年総務省固定資産税課長通知)では、以下の場合、特例の対象となる「住宅」には該当しないとされている。 ・構造上住宅と認められない状況にある場合、 ・使用の見込みはなく取壊しを予定している場合又は ・居住の用に供するために必要な管理を怠っている場合等で今後人の居住の用に供される見込みがないと認められる場合
ガイドラインも、これらの場合は「管理不全空家等や特定空家等に該当するか否かにかかわらず、そもそも固定資産税等の住宅用地特例は適用されない」と注記しています。
つまり、勧告の手続とは別の入口があります。 「勧告が来ていないから大丈夫」という読み方はできません。
外れるのは固定資産税だけではない
ガイドラインの参考様式3(13条2項勧告書)の注意書きです。
上記1の管理不全空家等に係る敷地が、地方税法(昭和25年法律第226号)第349条の3の2又は同法第702条の3の規定に基づき、住宅用地に対する固定資産税又は都市計画税の課税標準の特例の適用を受けている場合にあっては、本勧告により、当該敷地について、当該特例の対象から除外されることとなります。
都市計画税の特例(702条の3)にも及びます。 東京都主税局も「固定資産税・都市計画税の住宅用地に係る課税標準の特例…の適用対象から除外されます」と、両方を挙げています。
年度の区切りは1月1日
勧告の直後に税額が変わるわけではない
表に挙げた自治体の多くは、勧告を受けた状態で1月1日を越えるかどうかで年度が決まる、という書き方をしています(筑後市の要綱は、解除の決定の期日を基準にしています)。
つまり勧告が来てから次の1月1日までの間に改善できれば、その年度は外れない——という構造になります。ただし「改善した」と認められるかどうかは市町村の判断で、当サイトでは判定できません。次の1月1日までに何をすれば改善と認められるかは、担当課に確認してください。
筑後市は条例ルートも併記している
筑後市の要綱は、解除の予告を「空家等対策の推進に関する特別措置法第13条第1項又は条例第6条に規定する指導と同時に行うものとする」、解除の決定を「同法第13条第2項又は条例第7条に規定する勧告と同時に行い」としています。
空家法ルートと市条例ルートの選択制で、空家法の手続に一本化された制度ではありません。
また同要綱は第3条第1項で、条例第5条第1項の実態調査の結果「当該空き家が専ら人の居住の用に供する建物とは認められないと判断した場合」に特例の解除をすることができるとしており、勧告とは別の入口も定めています。
庭の手入れは、どこに関係するのか
ガイドラインの状態例に、庭に関係するものがあります。挙がっているのは立木と敷地の状態で、「枯草」「雑草」といった語は、ガイドラインの全文に出てきません(空家法のガイドラインに「枯草」「放火」は無い)。壁を覆うつるについても、壁を覆ったツタ・つる植物の撤去で確認したとおり「つる」「蔓」「繁茂」という語はガイドラインの本文に1か所もありません。
立木・立木の枝(別紙1・別紙4)
- 別紙1(3)立木/管理不全空家等: 「立木の伐採、補強等がなされておらず、腐朽が認められる状態」
- 別紙1の3(3)立木の枝/特定空家等: 「立木の大枝の脱落」「落下のおそれがあるほどの著しい立木の上部の大枝の折れ又は腐朽」
- 別紙1の4(2)立木の枝/特定空家等: 「立木の大枝の飛散」「飛散のおそれがあるほどの著しい立木の大枝の折れ又は腐朽」
- 別紙4の4「立木等による破損・通行障害等の発生」: 「立木の枝の剪定等がなされておらず、立木の枝等のはみ出しが認められる状態」
敷地そのものを挙げた例もある
庭に関係するのは立木だけではありません。
- 別紙2の2(2)害虫等/管理不全空家等: 「清掃等がなされておらず、常態的な水たまりや多量の腐敗したごみ等が敷地等に認められる状態」
- 別紙2の2(3)動物の糞尿等
状態例は網羅表ではない
別紙はいずれも、次の留保を置いています。
この例に当てはまらない場合も、個別の事案に応じて判断されます。以下に掲げる放置した場合の悪影響及び状態の例によらない場合も、個別の事案に応じて適切に判断する必要がある
国が「定期的に枝の剪定等を行う」と書いている
空家法6条1項に基づく基本指針の管理指針に、次の記述があります。
(出典:総務省・国土交通省(告示)「空家等に関する施策を総合的かつ計画的に実施するための基本的な指針(基本指針)」/確認日 2026-10-06)立木の枝等のはみ出しが認められた場合は枝の剪定等を行うことが考えられ…これらの事象の発生を予防するためには、定期的に枝の剪定等を行うことが必要である
庭の手入れと空家法をつなぐ、唯一の明文です。 ただしこれは予防の考え方を示すもので、剪定の時期・頻度の基準は書かれていません。
剪定の適期について公的資料が何を書いていないかは、別ページにまとめています。
なお、空家法2条1項は「空家等」の敷地に「立木その他の土地に定着する物を含む」と定めています。庭は空家等の一部です。
改善したら戻る
ガイドラインの記述です。
- 勧告を受けた管理不全空家等がその後に特定空家等に該当することとなった場合でも、当該勧告が撤回されていない限り「その敷地について住宅用地特例の対象から除外された状態が継続する」
- 勧告が撤回された場合は特例の適用対象となることから、「速やかに税務部局に情報提供することが必要」
筑後市の要綱も、解除の決定後に状態が判断基準以下になったと認める場合等には市長は決定を取り消さなければならないとし、取消しにより特例を適用する年度も「取消しの期日の翌年の1月1日を賦課期日とする年度」としています。
手続が進んでも、戻る道はガイドラインと筑後市の要綱に書かれています。遠方の実家で、現実的にできること
業者に確認したいこと
- 市区町村から文書(指導・助言)が届いていないか、郵便の転送を確認する
- 届いている場合、それが「指導」か「勧告」かを文書の表題で確かめる
- 勧告なら、次の1月1日までに何をすれば改善と認められるかを担当課に聞く
- 庭については、立木の腐朽・大枝の折れ・枝のはみ出しがないかを見る
- 敷地の水たまり・腐敗したごみがないかを見る(別紙2の状態例)
- 年に何回、誰が見に行くかを決める(空家法の管理指針は「定期的に枝の剪定等」を挙げています)
- (売却・解体を予定している場合)そもそも特例の対象外とされる場合に当たらないか担当課に確認する
費用が変わる条件
- 木の本数・高さと、はみ出している枝の位置(道路側か隣地側か)
- 年に何回入るか(1回で済ませるか、定期にするか)
- 刈った草・切った枝の処分を含めるか
- 遠方かどうか(立ち会いが必要な作業があるか)
このページで書けないこと
- 自分の空き家が管理不全空家等に当たるか。 状態例は網羅表ではなく、個別の判断と明記されています
- 税額がいくら動くか。 鶴岡市・宮古市は「上がります」「増加します」と書いていますが、額は書かれていません
- 「改善した」と認められる水準。 市町村の判断です
倍率の話は「更地にすると固定資産税が6倍」は、どの公的資料にも書いていない、遠方の実家の庭の管理は遠方の実家の庭を、どこまで管理するかにまとめています。
よくある質問
空き家にしていると固定資産税の特例が外れるのですか
では勧告されなければ特例は続きますか
いつから税額が変わるのですか
庭の手入れをしていないと管理不全空家等になりますか
勧告を受けたあと、改善したら戻りますか
確認した情報源
制度や料金は地域と時期で変わります。掲載しているのは確認日時点の内容です。実際の手続きは、 該当する自治体・事業者の最新の案内で確認してください。
- デジタル庁(e-Gov法令検索)「空家等対策の推進に関する特別措置法 第2条・第13条・第22条」
第2条第1項は「この法律において「空家等」とは、建築物又はこれに附属する工作物であって居住その他の使用がなされていないことが常態であるもの及びその敷地(立木その他の土地に定着する物を含む。第十四条第二項において同じ。)をいう。ただし、国又は地方公共団体が所有し、又は管理するものを除く。」と定める。第13条第1項は、市町村長が「空家等が適切な管理が行われていないことによりそのまま放置すれば特定空家等に該当することとなるおそれのある状態にあると認めるとき」に、その所有者等に対し必要な措置をとるよう「指導をすることができる」と定める。第13条第2項の勧告ができるのは「前項の規定による指導をした場合において、なお当該管理不全空家等の状態が改善されず、そのまま放置すれば特定空家等に該当することとなるおそれが大きいと認めるとき」で、挙げられている措置は「修繕、立木竹の伐採その他の…必要な具体的な措置」。第22条第1項は特定空家等について「除却、修繕、立木竹の伐採その他周辺の生活環境の保全を図るために必要な措置(そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態又は著しく衛生上有害となるおそれのある状態にない特定空家等については、建築物の除却を除く。次項において同じ。)をとるよう助言又は指導をすることができる。」とし、第22条第2項は「前項の規定による助言又は指導をした場合において、なお当該特定空家等の状態が改善されないと認めるとき」に「相当の猶予期限を付けて」勧告することができるとする。
適用範囲:全国。2026-10-06に e-Gov法令データAPI(法令ID 426AC1000000127)で取得して照合。law_revision_id は 426AC1000000127_20260903_508AC0000000027、施行日2026-09-03。/確認日 2026-10-06
注意:★「管理不全空家等」の定義は第2条第2項ではなく第13条第1項に置かれている。第2条第2項が定義しているのは「特定空家等」。/第13条第2項の措置に「除却」は挙げられていない。/第22条第1項の括弧書きにより、倒壊等著しく保安上危険・著しく衛生上有害のおそれが「ない」特定空家等については建築物の除却が除かれ、これは「次項において同じ」とあるので第22条第2項の勧告にも及ぶ。/第13条・第22条は項だけで構成され、号は置かれていない。
- デジタル庁(e-Gov法令検索)「地方税法 第349条の3の2第1項(空家法の勧告を受けた敷地の除外)と令和5年改正」
第349条の3の2第1項は住宅用地から「空家等対策の推進に関する特別措置法…第十三条第二項の規定により所有者等…に対し勧告がされた同法第十三条第一項に規定する管理不全空家等及び同法第二十二条第二項の規定により所有者等に対し勧告がされた同法第二条第二項に規定する特定空家等の敷地の用に供されている土地を除く」と定める。除外の要件は「勧告がされた」ことで、条文は指導の段階を除外事由として挙げていない。管理不全空家等の敷地を除く規定が入ったのは空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律(令和5年法律第50号)によるもので、施行日は2023年(令和5年)12月13日。それより前の第349条の3の2第1項は、旧第14条第2項の勧告がされた特定空家等の敷地だけを除いていた(同じ改正で所有者等の参照先が空家法第3条から第5条へ、特定空家等の勧告の根拠が第14条第2項から第22条第2項へ変わった)。
適用範囲:全国。2026-10-06に e-Gov法令データAPIで現行版と2023-12-13施行版(325AC0000000226_20231213_505AC0000000050)・2023-11-29施行版を取得して照合。/確認日 2026-10-06
注意:★外れる引き金は「勧告」。空き家であること・老朽化していることではない。/★指導の段階では外れない。/2023年12月13日より前は管理不全空家等の規定が無かったため、それ以前の解説記事は現行と内容が違う。
- 国土交通省「空家等対策の推進に関する特別措置法の改正(税制上の措置)」
「市区町村長から勧告を受けた管理不全空家の敷地についても、住宅用地特例の適用対象から除外」「○適切な管理が行われていない空家が放置されることへの対応として、固定資産税等の住宅用地特例を解除。」と記載する。管理不全空家等の「勧告対象:指導しても改善されず、そのまま放置すれば特定空家等に該当するおそれが大きい」と、指導対象と勧告対象を書き分けている。同PDFの中段には「※ 総務省の通知(平成27年総務省固定資産税課長通知)では、以下の場合、特例の対象となる「住宅」には該当しないとされている。・構造上住宅と認められない状況にある場合、・使用の見込みはなく取壊しを予定している場合又は・居住の用に供するために必要な管理を怠っている場合等で今後人の居住の用に供される見込みがないと認められる場合」というブロックがある。
適用範囲:国土交通省の改正解説資料。/確認日 2026-10-06
注意:★中段の総務省通知の引用が重要。勧告を受ける前の段階でも、そもそも「住宅」に該当しないと判断されれば特例は適用されないとされている。「勧告されなければ必ず特例が続く」とは書けない。
- 国土交通省・総務省「管理不全空家等及び特定空家等に対する措置に関する適切な実施を図るために必要な指針(ガイドライン)」
特例の除外について「単に管理不全空家等や特定空家等であるかという家屋等の状態のみならず」第13条第1項の指導または第22条第1項の助言若しくは指導をしてもなお状態が改善されないことを踏まえた措置であり、「勧告時に同特例の対象から除外されることになっている」と説明する。「法に基づく管理不全空家等の措置は、当該管理不全空家等の所有者等に対する指導により、所有者等自らの意思による改善を促すことから始めることとされている」。参考様式3(第13条第2項勧告書)の注意書きに「上記1の管理不全空家等に係る敷地が、地方税法(昭和25年法律第226号)第349条の3の2又は同法第702条の3の規定に基づき、住宅用地に対する固定資産税又は都市計画税の課税標準の特例の適用を受けている場合にあっては、本勧告により、当該敷地について、当該特例の対象から除外されることとなります。」とあり、固定資産税だけでなく都市計画税の特例にも及ぶ。勧告を受けた管理不全空家等がその後に特定空家等に該当することとなった場合でも、当該勧告が撤回されていない限り「その敷地について住宅用地特例の対象から除外された状態が継続する」。勧告が撤回された場合は特例の適用対象となることから、速やかに税務部局に情報提供することが必要だとする。構造上住宅と認められない状況にある場合、使用の見込みはなく取壊しを予定している場合、または居住の用に供するために必要な管理を怠っている場合等で今後人の居住の用に供される見込みがないと認められる場合には、管理不全空家等や特定空家等に該当するか否かにかかわらず、そもそも固定資産税等の住宅用地特例は適用されないと注記する。第13条第2項の勧告は第22条第2項の勧告と異なり「相当の猶予期限を付すことを要件とはしていない」とし、理由を勧告後の命令や代執行を伴わないためと説明する。庭に関係する状態例は、別紙1(3)立木で管理不全空家等「立木の伐採、補強等がなされておらず、腐朽が認められる状態」、別紙1の3(3)立木の枝で特定空家等「立木の大枝の脱落」「落下のおそれがあるほどの著しい立木の上部の大枝の折れ又は腐朽」、同4(2)立木の枝で「立木の大枝の飛散」「飛散のおそれがあるほどの著しい立木の大枝の折れ又は腐朽」、別紙4の4「立木等による破損・通行障害等の発生」で「立木の枝の剪定等がなされておらず、立木の枝等のはみ出しが認められる状態」。敷地を明示した状態例もあり、別紙2の2(2)害虫等で管理不全空家等「清掃等がなされておらず、常態的な水たまりや多量の腐敗したごみ等が敷地等に認められる状態」、同2(3)動物の糞尿等がある。別紙はいずれも「以下に掲げる放置した場合の悪影響及び状態の例によらない場合も、個別の事案に応じて適切に判断する必要がある」という留保を置く。最終改正は令和8年9月3日。
適用範囲:空家法に基づく判断の参考基準。最終改正 令和8年9月3日。/確認日 2026-10-06
注意:★庭に関係する状態例は立木・立木の枝だけではない。別紙2には「敷地等」を明示した害虫等・動物の糞尿等の例がある。/★別紙の状態例はいずれも「例によらない場合も、個別の事案に応じて適切に判断する必要がある」という留保付きで、網羅表ではない。/★勧告の効果は固定資産税だけでなく都市計画税の特例にも及ぶ(参考様式3の注意書き)。/★「勧告されなければ特例が続く」とは書けない(住宅に該当しない場合はそもそも適用されない旨の注記がある)。
- 総務省・国土交通省(告示)「空家等に関する施策を総合的かつ計画的に実施するための基本的な指針(基本指針)」
管理指針の「立木等による破損・通行障害等の防止」で、立木の枝等のはみ出しが認められた場合は枝の剪定等を行うことが考えられ、「これらの事象の発生を予防するためには、定期的に枝の剪定等を行」うことが必要であると述べている。平成27年2月26日付け総務省・国土交通省告示第1号、最終改正 令和8年9月3日付け同告示第1号。
適用範囲:空家法第6条第1項に基づく基本指針。/確認日 2026-10-06
注意:★「定期的に枝の剪定等を行う」ことを国が管理指針に書いている点が、庭の手入れと空家法をつなぐ唯一の明文。ただしこれは予防の考え方を示すもので、剪定の時期・頻度の基準は書かれていない。
- 東京都主税局/鶴岡市/宮古市/越生町/岐阜市/筑後市「管理不全空家等の勧告と住宅用地特例の解除についての自治体の案内(6団体)」
東京都主税局は、特定空家等または管理不全空家等に該当し「賦課期日(1月1日)までに区からの勧告に対する必要な措置が講じられない家屋の敷地については、固定資産税・都市計画税の住宅用地に係る課税標準の特例…の適用対象から除外されます」と案内する(23区内は都が課税)。鶴岡市は、管理不全空家等と認める場合にまず「指導」を行い、「指導後も状態が改善されず、そのまま放置すれば『特定空家等』になるおそれが大きいと市が認めるときは…『勧告』を行います」とし、「勧告を受けた状態で課税基準日(1月1日)を経過すると、管理不全空家等の敷地に係る固定資産税等…の住宅用地特例が解除され、土地の固定資産税が上がります」と案内する(更新日2026年4月17日・https://www.city.tsuruoka.lg.jp/kurashi/jyutaku/akiya/kanrihuzenakiya.html )。宮古市は「賦課期日(毎年1月1日)時点で」勧告を受けた空き家の敷地は特例の適用対象から除外されると案内し「住宅用地特例を解除すると、固定資産税の税額が増加します」と注釈する(更新日2025年3月17日・https://www.city.miyako.iwate.jp/gyosei/soshiki/zeimu/2/3/406.html )。越生町は「特定空家等や管理不全空家等の勧告を受けた後、改善が見られず、固定資産税の賦課期日である1月1日に至ると次年度の固定資産税から課税標準の特例が除外されます」と案内する(ページに更新日の表示は見当たらない・https://www.town.ogose.saitama.jp/kamei/zeimu/kazei/gyomuannai/koteisisanzei/3452.html )。岐阜市は「※「管理不全空家等」は「勧告」までです。」と明記し、管理不全空家等には命令・行政代執行がないことを案内する(更新日 令和7年4月1日・https://www.city.gifu.lg.jp/kurashi/sumai/1002445/1018722.html )。筑後市の要綱(令和7年4月1日施行・https://www.city.chikugo.lg.jp/reiki_int/reiki_honbun/q013RG00001164.html )は、第3条第1項で条例第5条第1項の実態調査の結果「当該空き家が専ら人の居住の用に供する建物とは認められないと判断した場合」に特例の適用の解除をすることができるとし、第3条第2項で管理不全な状態になるおそれがあると認める空き家に特例が適用されている場合を定める。第6条第2項は解除の予告を「空家等対策の推進に関する特別措置法第13条第1項又は条例第6条に規定する指導と同時に行うものとする」、第7条第2項は解除の決定を「同法第13条第2項又は条例第7条に規定する勧告と同時に行い」とし、「解除する年度は、当該解除の決定の期日の翌年の1月1日(決定の期日が1月1日の場合は同日)を賦課期日とする年度とする」と定める。解除の決定の後に状態が判断基準以下になったと認める場合等には市長は決定を取り消さなければならず、取消しにより特例を適用する年度も取消しの期日の翌年の1月1日を賦課期日とする年度とする。
適用範囲:6団体の案内。リンク先は東京都主税局で、他はsupports内にURLを記載。/確認日 2026-10-06
注意:★勧告を受けた状態で1月1日を越えるかどうかで年度が決まる、と複数の自治体が書いている。/★岐阜市が明記しているとおり、管理不全空家等には命令・行政代執行がない(勧告までで止まる)。/筑後市は空家法ルートと市条例ルートの選択制で定めており、空家法の手続に一本化された制度ではない。/鶴岡市・宮古市は「上がります」「増加します」と断定しているが、これは各市の記述で、税額がいくら動くかは書かれていない。
- 幸手市/広島市/杉戸町/桜川市/石岡市/明石市「家屋を取り壊したときの土地の税額についての自治体の案内(6市町)」
同じ論点でも書き方が分かれている。留保を付ける側は、幸手市「結果として固定資産税の税額が高くなることがありますので、ご注意ください」(https://www.city.satte.lg.jp/soshiki/zeimu/2/kotei_qa/6184.html )、広島市「住宅用地の特例の適用がなくなり、税額が上がる場合があります」、杉戸町「翌年度の土地の固定資産税が上がる場合があります」(https://www.town.sugito.lg.jp/page/1179.html )、桜川市「住宅を取り壊した場合、土地に対する固定資産税の税額が変わる場合があります」、印西市「土地分の固定資産税・都市計画税の税額が翌年度から変更される場合があります。(例:地目の変更、住宅用地特例の適否)」(https://www.city.inzai.lg.jp/0000020374.html )。断定する側は、石岡市「その家屋を取り壊した場合、住宅用地に対する特例が外れることになり、その土地の税額は上がります」(https://www.city.ishioka.lg.jp/kurashi_tetsuzuki/zeikin/koteishisanzei/page010042.html )。明石市は「更地の場合や店舗などの敷地として利用されている土地と比べて税負担が最大で6分の1まで抑えられています」とした上で「家屋の取り壊しにより、住宅用地に対する課税標準の特例措置の適用が外れる場合は、家屋の減額分よりも、土地の増額分による影響の方が大きくなる場合があります」と説明する(https://www.city.akashi.lg.jp/zaimu/zeisei_ka/kurashi/zekin/koteshisan/faq.html )。年の途中の解体については、広島市「年の中途で家屋を取り壊されても、その年の4月1日から始まる年度の固定資産税は、その年の1月1日現在の所有者に全額(一年度分)課されます」、明石市「年の途中で家屋を取り壊しても、今年度分の固定資産税額は変わりません」、薩摩川内市「固定資産税の還付はありません」(https://www.city.satsumasendai.lg.jp/kurashi_tetsuzuki/zeikin/9/4/6116.html )、桜川市「所有期間に応じて税金を減額することはできませんので、ご了承ください」。
適用範囲:6市町の案内。リンク先は広島市のページで、他はsupports内にURLを記載。/確認日 2026-10-06
注意:★「6倍」と書いている自治体は1つも無かった。 明石市の「最大で6分の1まで抑えられています」は軽減の割合の説明。/★同じ論点で「上がる場合があります」と「上がります」が分かれている。当サイトは断定しない側に合わせる。/明石市が説明しているとおり、家屋分が消える効果と土地分が増える効果の両方がある。
